教員・研究室紹介

教授

内田 史朗

UCHIDA SHIRO

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研究室
津田沼キャンパス 2号館5階 010511号室
担当講義
「電池材料」「エネルギー材料」「リサイクル概論」等

再生可能エネルギー / 太陽電池 / 光無線給電 / 常温接合

研究室概要

内田研究室では太陽電池を中心に半導体デバイスの研究を行っている。異なる材料を積層する手法で太陽電池の高効率化の研究を実施しており、将来的には電気自動車に搭載する事で長距離走行が期待できる。また、エネルギー分野への応用展開としてレーザービームでスマートフォンなどの充電を可能とする光無線給電の研究を行っている。更に、新規の半導体デバイスを作製する為の基礎技術として室温で異なる材料を原子レベルで接合できる常温接合の研究を行っている。

研究テーマ

(1) 高効率太陽電池セルの開発

近年目覚しい発展を遂げているペロブスカイト太陽電池と現在の主流であるシリコン太陽電池を組み合わせた多接合太陽電池の研究を行っている。ペロブスカイト太陽電池はシリコン太陽電池の上に塗布することで積層が可能で低コスト化と高効率化が期待できる。本研究室ではペロブスカイト太陽電池の高効率化とシリコン太陽電池との多接合化に向けた基礎検討を進めている。

(2) レーザーと太陽電池セルを用いた光無線給電

太陽電池は太陽光エネルギーを電気に変換する半導体素子であるが、そのほとんどが熱になってしまう為、光電変換効率は普及しているシリコン太陽電池の場合でも約20%と低い。

しかしながら、単色光のレーザービームを照射するとその熱損失が低減され変換効率は飛躍的に高くなる。これにより、将来、スマートフォンなどを無線で充電する事が可能となる。本研究室では、60%以上の光電変換効率を達成する事を目標に、太陽電池構造とレーザー光伝送システムの検討を行っている。

(3) 常温接合による異種材料の接合

一般的な材料の表面は空気中の酸素と結合して酸化膜で覆われている事が多く、室温で材料同士を接合する事は難しい。その酸化膜を真空中でアルゴンビームを照射する事で除去し、材料の表面を他の原子と結合し易い状態にし、様々な材料を室温で接合する事が可能である。本研究室では異種材料を接合した時に電気抵抗を限りなく小さくする接合技術の検討を行っている。

これまでの主要な業績

  1. (1) M. Koga, S. Shibui, N. Matsuoka, T. Sudo, and S. Uchida, “Conversion Efficiency of 45.0% in InGaP/InGaAs/Ge Triple-Junction Solar Cells for Laser Power Beaming”, Energies, 17(13), 3299, 01-12(2024).
  2. (2) K. Hisatsune, S. Uchida, T. N. Murakami and A. Kogo, “Effect of Br Ions in Octylammonium 2D Perovskites for Performance Improvement of CuSCN-Based Perovskite Solar Cells”, ACS Applied Energy Materials, 7, 5315(2024).
  3. (3) R. Takahashi, S. Hayashi, K. Watanabe, L. Jikun, T. Iida, J. Suzuki and S. Uchida, “Optical Wireless Power Transmission under Deep Seawater Using GaInP Solar Cells”, Enerrgies, 17(1572), 1-10(2024)
  4. (4) S. Shibui, T. Maeda, M. Koga, M. Chiba, S. Fujii, H. Komaki, H. Tomita, T. Ishiuchi, H. Nakamura, Y. Hyakutake, S. Uchida, “Optical wireless power transmission using CIGS solar cells”, In Physics, Simulation, and Photonic Engineering of Photovoltaic Devices XIII, Proc. SPIE, 12881, 49-53(2024).
  5. (5) Y. Komazawa, S. Uchida, T. N. Murakami, and A. Kogo, “Improvement of perovskite solar cell performance by oleylamine treatment of CuSCN hole-transport layer”, Japanese Journal of Applied Physics, 62(5), 050902(2023).
  6. (6) 黄耀樑, 渋井駿昌, 古賀誠啓, 高橋龍成, 若林勇太, 内田史朗, GaInP 太陽電池を用いた光無線給電の応用レーザー研究, 51(3),137-140頁(2023).