教員・研究室紹介

教授

小澤 俊平

OZAWA SHUMPEI

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研究室
津田沼キャンパス 2号館6階 010602号室
研究室URL
http://www.cit-materials.jp/ozawa/
担当講義
「材料組織学」「セラミックスおよびポリマー材料」「工業英語」等

無容器プロセス / 材料科学 / 高温融体熱物性 / 準安定結晶 / 微小重力環境

研究室概要

本研究室では、金属材料を浮遊させた状態で溶かしたり、その状態から結晶成長させたりできる「無容器プロセス」と呼ばれる技術や、雰囲気中の酸素が極めて少ない「極低酸素分圧環境」を駆使し、従来よりも高精度な熱物性測定に関する研究や、これまでに無い新しい機能や特性を持った材料開発の研究を行っている。これらの研究は、国内外の大学、研究所、企業と共同研究で行っており、現在金属材料分野で問題となっている課題の解決や、未知の現象の解明を目的としている。

研究テーマ

(1) 過冷却を利用した新しい準安定相の生成


電磁力によって空中浮遊する高温金属

金属や半導体を浮遊させた状態で溶融すると,容器からの汚染を完全に防ぐことが出来るため,高純度な材料が得られる.また,融点以下でも液体状態のまま凝固しない「過冷却」と呼ばれる特殊な現象が生じる.溶けた合金をこの過冷却状態から結晶成長させると,通常とは異なる新しい材料が生成する可能性がある.当研究室では,この手法を利用して,これまでに無い新しい材料の探索・開発を行っている.

(2) 無容器プロセスによる高精度熱物性計測


無重力実験で浮遊するペットボトル

航空機の放物線飛行を利用した無重力環境や,無容器浮遊技術を使って,容器からの汚染を完全に抑制することで,従来は測定すること自体が困難であった超高温での正確な熱物性についての研究を行っている.また,これまで殆ど着目されていない雰囲気の影響に着目して,表面張力の推算について検討している.

(3) 極低酸素分圧下における新しい材料プロセス

アルミニウムや希土類などを含む材料は,非常に酸化しやすく,その製造や加工が難しい場合も多い.また酸素は,金属メルトの流れの向きや強さに影響しうる.そこで,酸素ポンプと呼ばれる特殊な装置を使用して,体育館に酸素分子が数個しか存在しないような場合と同レベルの,極低酸素分圧環境下で,各種金属材料の熱処理,接合,合成等を行い,新しい材料プロセス開発を試みている.


酸素を非常に少なくするとAl合金の接合性が大きく向上する

これまでの主要な業績

  1. (1) 篠田智之,小澤俊平,川島健太,栗林一彦,山吉知樹,伊藤泰永,
    “ジルコニア式酸素ポンプを用いた極低酸素雰囲気におけるアルミニウム合金のフラックスフリーろう付”
    日本金属学会誌,(2021) inpress.
  2. (2) S. Shiratori, T. Usui, S. Koyama, S. Ozawa, H. Nagano and K. Shimano,
    “Efficient implementation of two-phase flow solver based on THINC/SW and S-CLSVOF on unstructured meshes”
    Int. J. Microgravity Sci. Appl., 38, (2021) 380301
  3. (3) Y. Hayasaka, K. Kuribayashi, S. Shiratori, and S. Ozawa,
    “Nucleation-Controlled Phase Selection in Rapid Solidification from Undercooled Melt of DyMnO3”
    Materials Transactions, 62, (2021) PP. 982-987.
  4. (4) 早坂燿,栗林一彦,白鳥英,小澤俊平
    “DyMnO3の過冷却融液からの急速凝固における核形成律速相選択”
    日本金属学会誌,85, (2021), PP.155–16.
  5. (5) K. Kuribayashi, S. Shirasawa, Y. Hayasaka, S. Shiratori, and S. Ozawa,
    "Containerless processing of metastable multiferroic composite in Ln‐(Mn, Fe) – O system (Ln: Lanthanide)",
    J. American Ceramic Society, 103, (2020) PP. 4822-4831.