教員・研究室紹介
- 研究室
- 津田沼キャンパス 2号館6階 010610号室
- 担当講義
- 「材料電気化学」「材料化学プロセス工学2」「リサイクル工学」等
リサイクル / 非鉄製錬 / 湿式プロセッシング / 金属材料生産 / 電気化学 / 都市鉱山
研究室概要
私たちの社会を持続的に発展させるためには資源の効率的な循環が欠かせません。研究室では「産業のビタミン」といわれるレアメタルや銅、亜鉛などの非鉄金属について、資源のリサイクルとその効率的な抽出・分離・生産プロセスに関する研究開発に取り組んでいます。また、めっきを含む電解技術や腐食に関する研究を行っています。これらはいずれも水溶液系を利用した湿式プロセッシングに関するものであり、化学熱力学、溶液化学ならびに電気化学に基づいた研究をしています。
研究テーマ
(1) 都市鉱山からの有価金属のリサイクル
リサイクルでは都市鉱山からレアメタルなどの有価な金属を分離・回収しています。例えば各種モーターとして自動車やパソコンのハードディスクに搭載されているネオジム磁石には希少価値の高いジスプロシウムなどの希土類元素(レアアース)を含んでおり、溶液を使った希土類元素の分離方法の研究を行っています。(下図) このほかに、携帯電話や家電製品の中のプリント基板に含まれる金、銀、白金などの貴金属元素の分離や回収に関する研究を行っています。また、消費電力の低い電気分解など、新しい製錬方法に関する研究を行っています。
湿式処理
(2) PIV法による流動の解析
湿式プロセッシングでは反応槽内の流動状態がイオンや物質の移動に重要な役割を果たします。流れの方向や速度の測定法には種々の方法があり、研究室ではレーザーによる散乱光を利用したPIV法(Particle Image Velocimetry)を用いて、電気分解時の電解槽内の最適な流動条件の探索を行っています。
これまでの主要な業績
- (1) 1. K. Koyama, M. Tanaka, K. Kojima, Y. Sasaki and H. Nagai,"Characteristics of the Copper Concentrate Residues after Oxidative Leaching with Cupric Chloride and Sodium Chloride Solution - Dissolution of Harmful Elements" Copper 2016, vol.III, 105-113 (2016)
- (2) T. Oishi, K. Koyama and M. Tanaka,"Electrorefining of Silicon Using Molten Salt and Liquid Alloy Electrodes",Journal of the Electrochemical Society, 163(14), E385-E389, 2016
- (3) 小山和也、田中幹也"濃硫酸を用いた廃蛍光体中の希土類元素 (La, Ce, Tb)の可溶化"環境資源工学, 第62巻 第3号 pp.77-81, 2015