教員・研究室紹介
- 研究室
- 津田沼キャンパス 2号館5階010508室
- 研究室URL
- https://www.msein.org/
- 担当講義
- 「材料物理学」「材料シミュレーション」「基礎製図」等
材料物理学 / ナノテクノロジー / 材料物性 / 薄膜材料工学 / プラズマ材料科学
研究室概要
本研究室は、物質の物理的性質に基づき、ナノテクノロジーを駆使することによって、新しい機能性材料や材料プロセスを研究・開発し、社会の持続的発展に貢献することを目指します。
研究テーマ
(1) 新奇金属窒化物薄膜の創製
「プラズマ」とは、気体にエネルギーを投入して分子の一部を電離させた状態のことです。電子は大きなエネルギーを持つので、化学反応性を活性化します。一方で気体粒子は低温のままなので、プロセス全体は低温で進行します。本研究は、低圧非平衡窒素プラズマを利用して、新奇な金属窒化物を成膜し、各種物性を明らかにするとともに、新材料として応用の可能性を探ります。
(2) プラズマ過程のその場計測
プラズマの中の反応過程は複雑なため、何が起こっているのかよくわかっていません。広範な工業分野で、すでにプラズマは実用に供されていますが、反応過程が不明なため、プラズマの制御は非常に困難です。本研究は、プラズマプロセスにおいて、どんな反応が進行しているのか、その場計測手法と表面・薄膜評価手法を駆使し、総合的にプラズマ中の反応過程を解析します。
(3) 吸着誘起型エレクトロクロミック材料
「エレクトロクロミック(EC)」とは、電荷の出入りに従って、可逆的に物質の色が変化する現象のことです。最近、表面吸着物の交代に伴って色が変化する、新型のEC現象が発見されました。酸化タングステンなどの従来型EC材料に比べ、飛躍的に速い応答速度が期待できます。本研究は、この吸着誘起型EC現象の原理解明と、EC特性の向上と実用化のための基礎的な研究を行います。
これまでの主要な業績
- (1) Yasushi INOUE and Osamu TAKAI, "Novel Crystal Phase of Tin Nitride Synthesized by Reactive Sputtering", Mater. Sci. Technol. Jpn., 58 (2) (2021) 59-63.
- (2) 井上 泰志,坂本 幸弘,「プラズマプロセスを用いた新しい機能性材料の創成」,工業材料,68巻 (2020) 57-62.
- (3) 井上泰志,「吸着誘起型エレクトロクロミック材料」,エレクトロクロミックデバイスの開発最前線,シーエムシー出版 (2019).
- (4) 佐藤大樹,椎名祐斗,井上泰志,高井 治,「吸着誘起型エレクトロクロミック現象における色変化と表面積の定量的評価」,材料の科学と工学,54巻6号 (2017) 205-210.
- (5) Yasushi Inoue, Haruka Koike, Takumi Aihara, Osamu Takai, "Influence of Substrate Materials on Deposition of Plasma-polymerized SiO:CH Particles", J. Photopolym. Sci. Technol., 30 (2017) 337-340.